先進医療と保険収載

 

ミニマム創内視鏡下手術は、2006年に先進医療に認定され、2008年に保険収載されました。

 先進医療は、“ミニマム創内視鏡下手術”という名称で申請され、“内視鏡下小切開手術”という名称で承認されました。

 保険収載では、“腹腔鏡下小切開手術”という名称になりました。

保険収載手術(2018年4月現在)

K627-3 腹腔鏡下小切開骨盤内リンパ節群郭清術
K627-4 腹腔鏡下小切開後腹膜リンパ節群郭清術
K642-3 腹腔鏡下小切開後腹膜腫瘍摘出術
K643-2 腹腔鏡下小切開後腹膜悪性腫瘍手術
K754-3 腹腔鏡下小切開副腎摘出術
K769-3 腹腔鏡下小切開腎部分切除術
K772-3 腹腔鏡下小切開腎摘出術
K773-3 腹腔鏡下小切開腎(尿管)悪性腫瘍手術
K785-2 腹腔鏡下小切開尿管腫瘍摘出術
K802-4 腹腔鏡下小切開膀胱腫瘍摘出術
K803-3 腹腔鏡下小切開膀胱悪性腫瘍手術
K843-3 腹腔鏡下小切開前立腺悪性腫瘍手術


施設基準(2018年4月現在)

● 腹腔鏡下小切開手術の施設基準(腹腔鏡下小切開膀胱悪性腫瘍手術以外):腹腔鏡下小切開骨盤内リンパ節群郭清術の例による

  1. 泌尿器科を標榜している病院である。
  2. 以下のアからタまでの手術を術者として、合わせて20例以上実施した経験を有する常勤の泌尿器科の医師が2名以上配置されている。
    ア 腹腔鏡下骨盤内リンパ節群郭清術
    イ 腹腔鏡下小切開骨盤内リンパ節群郭清術
    ウ 腹腔鏡下小切開後腹膜リンパ節群郭清術
    エ 腹腔鏡下後腹膜腫瘍摘出術
    オ 腹腔鏡下小切開後腹膜腫瘍摘出術
    カ 腹腔鏡下小切開後腹膜悪性腫瘍手術
    キ 腹腔鏡下腎出術
    ク 腹腔鏡下小切開腎摘出術
    ケ 腹腔鏡下副腎摘出術
    コ 腹腔鏡下小切開副腎摘出術
    サ 腹腔鏡下小切開尿管腫瘍摘出術
    シ 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術
    ス 腹腔鏡下小切開腎(尿管)悪性腫瘍手術
    セ 腹腔鏡下小切開膀胱腫瘍摘出術
    ソ 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術
    タ 腹腔鏡下小切開前立腺悪性腫瘍手術
  3. 当該手術に習熟した医師の指導の下に、当該手術を術者として10例以上実施した経験を有する常勤の泌尿器科の医師が1名以上配置されている。
  4. 当該保険医療機関において、当該手術が10例以上実施されている。
  5. 関係学会から示されている指針に基づき適切に実施されている。



● 腹腔鏡下小切開膀胱悪性腫瘍手術の施設基準:腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術の例による

  1. 当該保険医療機関において、膀胱悪性腫瘍手術 [ K803, K803-2(内視鏡手術用支援機器を用いる場合を含む)及びK803-3 ]を1年間に10例以上実施している。
  2. 腹腔鏡を用いる手術について、関連学会から示されているガイドライン等を踏まえ、手術適応等の治療方針についての検討を適切に実施する。
  3. 腹腔鏡を用いる手術について十分な経験を有する医師が配置されている。
  4. 当該保険医療機関が泌尿器科及び麻酔科を標榜している医療機関であり、泌尿器科において常勤の医師が2名以上配置されており、そのうち少なくとも1名は、5年以上の経験を有する。
  5. 病理部門が設置され、病理医が配置されている。
  6. 緊急手術が可能な体制を有している


本手術が満たす要件

  • 小切開*で行う。
  • 内視鏡を終始用いる。
  • 炭酸ガスを使用しない。
  • 原則として腹膜を損傷しない。
  • 原則としてトロカーポートは用いない。

*小切開とは、
● 手が挿入できない切開をいう。
● 手より大きい対象臓器の場合には、対象臓器程度の切開をいう。