理事長のご挨拶

日本ミニマム創泌尿器内視鏡外科学会
理事長 藤井靖久

 木原和徳前理事長の後任として日本ミニマム創泌尿器内視鏡外科学会 理事長を拝命いたしました。ミニマム創内視鏡下手術(ガスレス・シングルポート手術)(保険名 腹腔鏡下小切開手術)は、患者さん、社会、術者に優しい泌尿器科低侵襲手術として開発され、本学会の先生方の工夫・改良の積み重ねによって大きく発展してきました。本手術は、高いクオリティで、かつ低コストの国産低侵襲手術として、多くの手術が保険収載されています。

 現在、泌尿器科領域の低侵襲手術として、腹腔鏡手術、続いてロボット支援手術(ダビンチ手術)が普及しています。ダビンチ手術は、高精細3D画像、座位による遠隔操作、可動性の高い多関節アームにより、術者が「快適」に手術を行えるという優れた特徴を有しています。

 しかしながら、ミニマム創内視鏡下手術は、単一の小さな創(ミニマム創)、炭酸ガス不使用、腹膜外アプローチ、低コストという特長があり、本来の体の構造を壊さない、周術期および晩期の合併症が少ない、習得(教育)しやすい、手術の工夫がしやすい(改良しやすい)など多くの利点を備えています。そして、手術の工夫がしやすい(改良しやすい)ことから、本手術は、高精細3D内視鏡、3Dヘッドマウントディスプレイ、内視鏡操作ロボット(EMARO)などの導入により、大きく進化しています。今後もさらなる進歩を続けるものと思います。

 私は、本学会の理事長として、ミニマム創内視鏡下手術を、泌尿器科低侵襲手術の選択肢の一つとしてさらに発展、普及させるために、精励いたす所存でございます。




2018年4月 吉日